歴史
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歴史

ドイツの社会学者マックス・ウェーバーによれば、宗教の出発は「人間がどこから来て、どこへ行くのか」という疑問からだったそうです。

約5万年前のネアンデルタール人の遺跡にはすでに死者を葬った痕跡があり、発生当初の宗教は多分に呪術的性格を帯びたものであったことが考古学の成果などからも明らかです。

発生当初の宗教を、宗教学者ロバート・ニーリー・ベラーは「原始宗教」と呼んでいます。

やがて社会が発達し、単なる人間の群れから部族へ、部族から民族へ、民族から国家へと発展してくると、呪術もまた個人単位のものから社会単位のものへと変化しました。

問題とされることも、個人の単純な願いごとから家族や氏族、民族や国家の問題へと大規模化ないし複雑化し、個人を越えた威力や生命力は部族神、国家神のかたちでまとめあげられていきます。

理論経済学者村上泰亮は、人間集団の存続をその内外で正統化する根拠で最も有力なものとして「血縁」を掲げ、これが人類最古の組織原理であったろうとしています。

そして、定着農耕開始期には比較的平等な血縁的集団である氏族がみられたことは事実として確認されており、農業生産の高まりに応じて集団規模が拡大すると、それにともなって自らの祖先たちを位階的に体系化する伝承や神話が各地に生まれたとしています。

「位階化神話」は祖先神体系に修正ないし拡大を施して、実際には血縁のつながりのない人びとを想像上の血縁関係のなかに取り込んでいき、家族 → 同祖集団 → 氏族 → 部族 → 民族へと血縁的正統化の論理によって拡大されます。

こうして事実上の血縁関係の後退は神話的な血縁関係によって補完され、首長制から王制への連続的な進化がなされていきます。

村上によれば、都市文明をともなった古代文明のうち、最も非血縁的であるかにみえるメソポタミア文明においてもその宗教の内実は「位階化神話の高度化」であったと評価し、エジプトでも同様にみられる神々の階層化と広大な宇宙論との集大成こそが、R.N.ベラーのいう「古代宗教」であるとしています。

やがて、「人間とは何か」「宇宙とは何か」が問われるようになり、小国家の分立にともなう抗争や商業の発展がみられた紀元前一千年紀の中頃には、人間の思考は感覚的なものを突き抜けて諸現象の奥底にある形而上学的な世界にまでおよび、世界宗教が誕生しました。

中国では孔子や老子が登場し、インドではゴータマ・シッダールタが生まれ、イランではザラスシュトラが挑戦的な世界像を描いて、パレスティナではイザヤやエレミヤをはじめとする預言者たちが現れました。

この時代をドイツの哲学者カール・ヤスパースは「枢軸時代」、日本の科学史家伊東俊太郎は「精神革命」と呼称しています。

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